7.5. 行のソート

ある問い合わせが1つの出力テーブルを生成した後(選択リストの処理が完了した後)、並べ替えることができます。 並べ替えが選ばれなかった場合、行は無規則な順序で返されます。 そのような場合、実際の順序は、スキャンや結合計画の種類や、ディスク上に格納されている順序に依存します。 しかし、当てにはなりません。 特定の順序で出力することは、明白に並べ替える処理を選択することでのみ保証されます。

ORDER BY句は並べ替えの順番を指定します。

SELECT select_list
    FROM table_expression
    ORDER BY sort_expression1 [ASC | DESC] [NULLS { FIRST | LAST }]
             [, sort_expression2 [ASC | DESC] [NULLS { FIRST | LAST }] ...]

ソート式は問い合わせの選択リスト内で有効な任意の式を取ることができます。 以下に例を示します。

SELECT a, b FROM table1 ORDER BY a + b, c;

複数の式が指定された場合、前の値と同じ値を持つ行をソートする際に後の値が使用されます。 列指定の後に省略可能なASCもしくはDESCを付与することで、並び替えの方向を昇順、降順にするかを設定することができます。 ASC順がデフォルトです。 昇順では、小さな値を先に出力します。 ここでの"小さい"とは、<演算子によって決定されます。 同様に降順では>演算子で決定されます。 [1]

NULLS FIRSTおよびNULLS LASTオプションを使用して、そのソート順においてNULL値を非NULL値の前にするか後にするかを決定することができます。 デフォルトではNULL値は非NULLよりも大きな値であるかのようにソートされます。 DESC順ではNULLS FIRSTがデフォルトであり、この他はNULLS LASTがデフォルトです。

この順序づけオプションは、ソートされる列を個別に指定したとみなされることに注意してください。 たとえば、ORDER BY x, y DESCは、ORDER BY x DESC, y DESCと同じではなく、ORDER BY x ASC, y DESCを意味します。

標準のSQL92版との後方互換性のために、sort_expressionは以下のように、出力列の名前でも番号でも指定することができます。

SELECT a + b AS sum, c FROM table1 ORDER BY sum;
SELECT a, max(b) FROM table1 GROUP BY a ORDER BY 1;

両方とも最初の出力列でソートされます。 出力列名が単体でなければならず、式の一部には使用できないことに注意して下さい。 例えば、以下は間違いです。

SELECT a + b AS sum, c FROM table1 ORDER BY sum + c;          -- 間違い

これは多義性を減らすための制限です。 ORDER BY項目が単純な名前であっても、出力列名とテーブル式による列と同じ名前となる場合、多義性はまだ存在します。 この場合、出力列名が使用されます。 ASを使用して他のテーブル列の名前と同じ名前に出力列を変名した場合にのみ混乱が発生します。

ORDER BYを、UNIONINTERSECTEXCEPT組み合わせの結果に適用することができます。 しかしこの場合、出力列の名前または番号でのみソートすることができ、式ではソートすることができません。

注意

[1]

実際、PostgreSQLは、ASCDESCのソート順を決定するために、式のデータ型用のデフォルトのB-tree演算子クラスを使用します。 慣習的に、データ型は<>演算子をこのソート順になるように設定されます。 しかし、ユーザ定義データ型の設計者は異なるものを選択することができます。

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